現在、血圧計の測定方法は
(1)オシロメトリック法
(2)リバロッチ・コロトコフ法
の2つが代表的です。
(1)オシロメトリック法
血圧を測定する際、上腕にカフ(腕帯)を巻き、そこに空気を送り込んで血管を圧迫し、いったん血液の流れを止めます。その後徐々に、圧迫をゆるめていくと、血液の圧力が血管を圧迫しているカフの圧力を上回ります。こうして血液が心臓の拍動に合わせて断続的に流れ始めるのです。
オシロメトリック法は、カフを加圧した後、減圧していく段階で、心臓の拍動に同調した血管壁の振動を反映したカフ圧の変動(圧脈波)をチェックすることによって血圧値を決定します。一般的には、圧脈波が急激に大きくなったときのカフ圧を「最高血圧」、急激に小さくなったときのカフ圧を「最低血圧」としています。
現在、家庭でよく使われている電子血圧計は、このオシロメトリック法のものが主流になっています。
(2)リバロッチ・コロトコフ法
カフを減圧し、血液が心臓の拍動に合わせて断続的に流れ始めたときに発生する血管音をコロトコフ音=K音といいます(コロトコフ音は、この血管音と血圧の関係を明らかにしたロシア人学者の名前からとったものです)。
コロトコフ法は血管音を聴診器やカフに内蔵したマイクロホンで確認します。
K音発生開始時のカフ圧を「最高血圧」、K音が消えたときのカフ圧を「最低血圧」としています。病院で医師や看護婦が血圧測定をするときに、聴診器で聞いているのは、このK音なのです。
オシロメトリック法
カフ圧の徐々減圧過程における圧脈波の変化。
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リバロッチ・コロトコフ法
カフ圧の徐々減圧過程におけるコロトコフ音の変化。
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