生活が豊かになるとともに、過食・肥満・運動不足・ストレスなど、健康を害するさまざまな環境因子が問題になってきました。「糖尿病」は、それらが原因で起こる代表的な病気です。
1997年の厚生省実態調査によれば、わが国の糖尿病患者数は690万人、予備軍を含めると1,370万人と推定され、成人の10人に1人が糖尿病といわれています。
さらに年々増加傾向にあって、国民病と呼ばれるまでになりました。糖尿病に特徴的なのは、発病初期に自覚症状がみられないことです。そのため、早期発見の方法として、血液中や尿中の糖分を調べる血糖検査、尿糖検査が重要視されています。
●糖尿病とは‥
膵臓で作られているインスリンというホルモンの絶対的ないしは相対的な不足により、血糖値の高い状態が慢性的に続いて口渇・多飲・多食・倦怠感・体重減少などの症状や、腎臓障害・網膜障害・神経障害・動脈硬化症などの合併症を起こす状態をいいます。
●糖尿病の病態は基本的に2つに分かれます
(1)1型糖尿病(インスリン依存型糖尿病)
主な原因は自己免疫異常にあり、ウイルスの感染などが引き金となってインスリン分泌不全が起こり発症してきます。
(2)2型糖尿病(インスリン非依存型糖尿病)
遺伝を背景に過食・肥満・運動不足・ストレスなどによるインスリン作用不足によって起こってきます。
糖尿病患者全体の約95%以上を占めるのが2型糖尿病であり、成人以後に起こりやすくなっています。
こうした糖尿病の予防や糖尿病患者の血糖値コントロールに用いられるのが血糖計や尿糖計です。
●次のいずれかに該当する場合、糖尿病型と判定されます
(1)早朝空腹時血糖値126mg/dl以上が確認された場合
(2)75g糖負荷試験で2時間値200mg/dlが確認された場合
(3)随時血糖値200mg/dl以上が確認された場合
75g経口ブドウ糖負荷試験における判定区分と判定基準
|