人が生きていく上で、最低限必要な体温のことを「基礎体温」といいます。寝ていてもそれ以下には下がらない、その人にとって最も低い体温のことです。女性の場合、この基礎体温が、性周期と連動して周期的に変動しています。
妊娠が可能な思春期から閉経期までの健康な女性は、ホルモンの作用で排卵と生理を繰り返しています。このホルモンの作用で、基礎体温も周期的に変化するのです。具体的には、基礎体温の高い時期と低い時期があり、高い時期のことを「高温相」、低い時期のことを「低温相」といいます。
生理が始まる頃になると、体温は低温相になり、それがしばらく続いた後、さらに低くなる日があります。排卵はこの日の前後に起こります。排卵後は基礎体温が上昇して、高温相に変わり、その状態がまた生理が始まるまで続きます。低温相と高温相の差は0.3〜0.5℃程度です。
基礎体温を数カ月間記録していると、変化のパターンがわかってきます。そうすると、排卵日や生理日が予測できるようになります。
基礎体温は、婦人体温計を使って、口中(舌下)で測ります。婦人体温計の目盛は0.01℃単位になっていて、0.3〜0.5℃の範囲で微妙な変化も測定できます。ですから、基礎体温は毎朝なるべく同じ時間に測るようにします。また、目覚めたらすぐ、動いたり伸びをしたりせずに測ることが大切です。そのため、夜寝る前に枕元に体温計を用意しておきましょう。また、測り終えたら忘れないよう基礎体温表に記録します。
●婦人用体温計
- 電子体温計、ガラス製体温計のほかに、マイコンを内蔵した多機能タイプの
電子体温計も普及しつつあります。
- 多機能タイプの婦人用電子体温計は、測定した体温の自動メモリーやグラフ表
示、妊娠しやすい期間、妊娠の可能性、次回生理日や出産予定なども推定しま
す。また、パソコンでのデータ管理や保存が可能な新しいタイプもあります。
●基礎体温の標準的な推移
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